日常生活での注意

勉強、スポーツ、吹奏楽器演奏への影響

 小学生、中学生の親御さんから、矯正治療により勉強、クラブ活動に影響がでませんか?との質問がよくあります。患者さんが受験を控えていたり、試験前であったりした場合には、特別な場合を除いて矯正治療を始める時期を調整しましょうと、アドバイスすることもあります。また、治療期間中でも、調整する力を一時期弱めたりすることもできます。
 矯正中のスポーツは、ボディコンタクトのあるラグビー、柔道などでは、歯をガードするマウスピースを作ってもらうと良いでしょう。また、唇を使う管楽器なども、装置装着当初はなかなか思うように音がでない場合もありますが、時間が経過して練習とともに音がでるようになってきます。

発音への影響

 歯の表側からの矯正装置の場合は、発音に影響は出ません。しかし、歯の裏側に付ける装置の場合は、当初 舌を歯の裏側に付けて出す、サ行、タ行、特に英語ではTh の音がだしにくくなります。この問題は、ほとんどのケースで1〜2ヶ月の間に慣れて普通の発音ができるようになって参りますが、職業が、アナウンサー、歌手などの正確な発音を要する場合は、矯正医との相談、話し合いが必要でしょう。

食事

 装置を付けた当初は、軟らかめのものを中心に食べものを小さく切ってゆっくりと召し上がるのが良いでしょう。装置に慣れて歯の痛みが無くなれば、ほとんどのメニューはOK となります。あえて避けたほうが無難なものは、粘着製のある、ガム、キャラメル、餅、非常に固い、お煎餅、氷、噛み切りにくいするめ、フランスパンの皮などがあります。強い力で咬みますと、装置が壊れて、歯の動きが止まり治療期間がのびることもあります。

結婚式、成人式などの大切な行事に際しては

 矯正治療は、基本的に時間のかかる治療です。治療期間中には、人生の大切な行事がぶつかることもあるでしょう。特に、女性の場合結婚式の記念写真に矯正装置が写るのは、抵抗があることです。このような場合、一時的に目立つ前歯の部分の矯正装置のみを撤去することが行われております。行事の終了後、再装着をして治療を継続します。一般的に装置撤去、再装着料がかかりますので、矯正医に確認されるとよいでしょう。

妊娠と矯正治療は

 矯正治療を開始する際に、すでに妊娠されている場合は、レントゲン検査、抜歯に伴う投薬の可能性もありますので、出産後からの矯正治療のスタートが無難でしょう。また、矯正治療中での懐妊については、特に心配ありませんが、ホルモンのバランスが変化することから普段より歯肉が腫れやすくなります。より注意深く歯ブラシによる衛生のコントロールが必要です。出産時には、歯の動きを休止させて、出産、退院、体調の回復を待ち、その後再来院、再治療となります。

わかる矯正歯科

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